2019年1月にAWS Fargateが大幅値下げしたのでEC2との価格比を確認してみた
大栗です。
コンテナの実行環境であるAWS Fargateが大幅値下げになりました!今までEC2と比べてかなり割高でしたが、値下げになりどうなったのか確認してみます。
AWS Fargateの大幅値下げ
AWS Fargateは仮想マシンやホストOSを管理せずにコンテナを直接起動できるマネージドサービスです。以下のようにCPUが20%引き、メモリが65%引きとなりました
リージョン | 新料金: CPU コア/時 | 新料金: メモリ GB/時 | 旧料金: CPU コア/時 | 旧料金: メモリ GB/時 | 割引率: メモリ | 割引率: CPU |
---|---|---|---|---|---|---|
米国東部 (バージニア北部) | $ 0.04048 | $ 0.004445 | $ 0.0506 | $ 0.0127 | 65% | 20% |
米国東部 (オハイオ) | $ 0.04048 | $ 0.004445 | $ 0.0506 | $ 0.0127 | 65% | 20% |
米国西部 (北カリフォルニア) | $ 0.04656 | $ 0.00511 | $ 0.0582 | $ 0.0146 | 65% | 20% |
米国西部 (オレゴン) | $ 0.04048 | $ 0.004445 | $ 0.0506 | $ 0.0127 | 65% | 20% |
アジアパシフィック (ムンバイ) | $ 0.04256 | $ 0.004655 | $ 0.0532 | $ 0.0133 | 65% | 20% |
アジアパシフィック (ソウル) | $ 0.04656 | $ 0.00511 | $ 0.0582 | $ 0.0146 | 65% | 20% |
アジアパシフィック (シンガポール) | $ 0.05056 | $ 0.00553 | $ 0.0632 | $ 0.0158 | 65% | 20% |
アジアパシフィック (シドニー) | $ 0.04856 | $ 0.00532 | $ 0.0607 | $ 0.0152 | 65% | 20% |
アジアパシフィック (東京) | $ 0.05056 | $ 0.00553 | $ 0.0632 | $ 0.0158 | 65% | 20% |
カナダ (中部) | $ 0.04456 | $ 0.004865 | $ 0.0557 | $ 0.0139 | 65% | 20% |
EU (フランクフルト) | $ 0.04656 | $ 0.00511 | $ 0.0582 | $ 0.0146 | 65% | 20% |
EU (アイルランド) | $ 0.04048 | $ 0.004445 | $ 0.0506 | $ 0.0127 | 65% | 20% |
EU (ロンドン) | $ 0.04656 | $ 0.00511 | $ 0.0582 | $ 0.0146 | 65% | 20% |
EC2との比較
代表的なEC2のインスタンスタイプとして、汎用のm5.large、コンピューティング最適化のc5.large、メモリ最適化のr5.largeのスペックと同等の場合に価格を比較してみました。CPUのモデルやネットワーク/ディスクパフォーマンスなどが異なりますが、vCPU数とメモリサイズに絞って試算してみます。(FargateのCPUモデルはM4系と同等との話もありますが今回の記事では気にしません)
インスタンスタイプ | vCPU | メモリ |
---|---|---|
m5.large | 2 | 8 |
c5.large | 2 | 4 |
r5.large | 2 | 16 |
Fargateがリリースされた当時はm4.largeと比較して2倍程度の料金になっており、かなり割高な印象でした。
汎用 m5.large
m5.largeと同等のスペックの場合は、Fargateで 8.9 〜 21.4% の割増となっています。
リージョン | m5.large | Fargate試算 | 割増率対 m5.large |
---|---|---|---|
米国東部 (バージニア北部) | 0.096 | 0.11652 | 21.4% |
米国東部 (オハイオ) | 0.096 | 0.11652 | 21.4% |
米国西部 (北カリフォルニア) | 0.112 | 0.134 | 19.6% |
米国西部 (オレゴン) | 0.096 | 0.11652 | 21.4% |
アジアパシフィック (ムンバイ) | 0.101 | 0.12236 | 21.1% |
アジアパシフィック (ソウル) | 0.118 | 0.134 | 13.6% |
アジアパシフィック (シンガポール) | 0.12 | 0.14536 | 21.1% |
アジアパシフィック (シドニー) | 0.12 | 0.13968 | 16.4% |
アジアパシフィック (東京) | 0.124 | 0.14536 | 17.2% |
カナダ (中部) | 0.107 | 0.12804 | 19.7% |
EU (フランクフルト) | 0.115 | 0.134 | 16.5% |
EU (アイルランド) | 0.107 | 0.11652 | 8.9% |
EU (ロンドン) | 0.111 | 0.134 | 20.7% |
コンピューティング最適化 c5.large
c5.largeと同等のスペックの場合は、Fargateで 2.9 〜 25.8% の割増となっています。
リージョン | c5.large | Fargate試算 | 割増率対 c5.large |
---|---|---|---|
米国東部 (バージニア北部) | 0.085 | 0.09874 | 16.2% |
米国東部 (オハイオ) | 0.085 | 0.09874 | 16.2% |
米国西部 (北カリフォルニア) | 0.106 | 0.11356 | 7.1% |
米国西部 (オレゴン) | 0.085 | 0.09874 | 16.2% |
アジアパシフィック (ムンバイ) | 0.085 | 0.10374 | 22.0% |
アジアパシフィック (ソウル) | 0.096 | 0.11356 | 18.3% |
アジアパシフィック (シンガポール) | 0.098 | 0.12324 | 25.8% |
アジアパシフィック (シドニー) | 0.111 | 0.1184 | 6.7% |
アジアパシフィック (東京) | 0.107 | 0.12324 | 15.2% |
カナダ (中部) | 0.093 | 0.10858 | 16.8% |
EU (フランクフルト) | 0.097 | 0.11356 | 17.1% |
EU (アイルランド) | 0.096 | 0.09874 | 2.9% |
EU (ロンドン) | 0.101 | 0.11356 | 12.4% |
メモリ最適化 r5.large
ムンバイではr5.largeが提供されていないため、比較していません。
c5.largeと同等のスペックの場合は、Fargateで 7.9 〜 24.9% の割増となっています。
リージョン | r5.large | Fargate試算 | 割増率対 r5.large |
---|---|---|---|
米国東部 (バージニア北部) | 0.126 | 0.15208 | 20.7% |
米国東部 (オハイオ) | 0.126 | 0.15208 | 20.7% |
米国西部 (北カリフォルニア) | 0.14 | 0.17488 | 24.9% |
米国西部 (オレゴン) | 0.126 | 0.15208 | 20.7% |
アジアパシフィック (ムンバイ) | - | 0.1596 | - |
アジアパシフィック (ソウル) | 0.152 | 0.17488 | 15.1% |
アジアパシフィック (シンガポール) | 0.152 | 0.1896 | 24.7% |
アジアパシフィック (シドニー) | 0.151 | 0.18224 | 20.7% |
アジアパシフィック (東京) | 0.152 | 0.1896 | 24.7% |
カナダ (中部) | 0.138 | 0.16696 | 21.0% |
EU (フランクフルト) | 0.152 | 0.17488 | 15.1% |
EU (アイルランド) | 0.141 | 0.15208 | 7.9% |
EU (ロンドン) | 0.148 | 0.17488 | 18.2% |
EC2とFargateの価格比サマリ
以下のように概ね25%以下の料金がEC2に比べて増えています。しかし、仮想マシンやホストの実行オーバーヘッドやOSの管理が不要になるという大きな利点を加味すると、十分に妥当な料金かむしろ割安ではないかと考えられます。
インスタンスタイプ | 最低割増率 | 最高割増率 |
---|---|---|
m5.large | 8.9% | 21.4% |
c5.large | 2.9% | 25.8% |
r5.large | 7.9% | 24.9% |
さいごに
FargateはEC2の管理が不要でコンテナを簡単に起動できるので、EC2上にデプロイするECSなど比べて運用コストを下げることができます。しかし、今まではEC2と比較して割高であったため大規模には利用しにくい状況でしたが、料金が安くなって使いやすくなりました。今後はEC2と同様に利用量をコミットする代わりに安くなるリザーブドキャパシティが導入してほしいです。そうすると更に低価格にコンテナ環境を導入できるようになり助かります。